万年筆で絵を描くなんて、なんだか敷居が高そう…そう思っていませんか? 実は、万年筆は絵を描くための素晴らしいツールなんです。
この記事では、「万年筆で絵を描きたいけど、どれを選べばいいかわからない」「万年筆で描く絵ってどんな感じ?」といったあなたの疑問を解決します。私が実際に万年筆で絵を描いてきた経験から、失敗しない万年筆選びのポイントや、絵を描く魅力について深掘りして解説します。
この記事を読み終える頃には、きっとあなたも万年筆で絵を描きたくなっているはず。さあ、一緒に万年筆アートの世界へ飛び込みましょう!
万年筆で絵を描く魅力とは?鉛筆やボールペンとの違い
万年筆で絵を描くことに、どのような魅力があるのか気になりますよね。ここでは、万年筆ならではの表現力や、他の画材との違いについて詳しく解説します。
万年筆絵画の表現力:深みと繊細さの融合
万年筆は、インクの濃淡や線の強弱を自由に表現できるため、深みのある絵を描くことができます。例えば、同じインクでも筆圧の加減で線の太さや濃さが変わるので、無限の表現が可能です。
水彩絵の具と組み合わせれば、インクが滲んで美しいグラデーションを生み出すこともできますよ。

他の画材と比較:万年筆が選ばれる理由
鉛筆やボールペンも手軽に絵を描ける画材ですが、万年筆にはそれらにはない特徴があります。
鉛筆との違い:インクの光沢と永続性
鉛筆は手軽ですが、描いた線にインクのような光沢はありません。また、消しゴムで消せてしまうため、描いた絵が薄れてしまう可能性もあります。一方、万年筆のインクは一度乾くと消えにくく、描いた絵が長く残ります。
ボールペンとの違い:線の表情とインクの多様性
ボールペンは均一な線が特徴ですが、万年筆はペン先の種類やインクによって、線の太さや濃淡に豊かな表情が生まれます。また、万年筆用のインクは非常に多くの色が販売されており、表現の幅が格段に広がります。
万年筆で絵を描く「おすすめ」の選び方:後悔しないための3つの視点
いざ万年筆を選ぼうと思っても、種類が多すぎて迷ってしまいますよね。ここでは、絵を描く際に後悔しないための万年筆選びのポイントを3つに絞ってご紹介します。
ペン先の種類で選ぶ:極細から太字まで表現自在
万年筆のペン先は、絵の表現に大きく影響します。主に「極細(EF)」「細字(F)」「中字(M)」「太字(B)」などの種類があります。
- 極細(EF):細部の描写や精密な線を描きたい場合に最適です。
- 細字(F):一般的なスケッチやイラストに適しています。
- 中字(M):ある程度の太さで、力強い線や面を表現したい場合に良いでしょう。
- 太字(B):ダイナミックな表現や、背景の塗りつぶしなどに活用できます。
迷ったら、まずは細字(F)や中字(M)から試してみるのがおすすめです。どちらも汎用性が高く、様々な絵の表現に対応できます。

インクの種類と色で選ぶ:無限の色彩表現
万年筆の魅力の一つは、インクの種類の豊富さです。絵を描く際には、インクの耐水性や色合いも考慮しましょう。
耐水性インク:水彩と組み合わせるなら必須
水彩絵の具と組み合わせて絵を描く場合は、耐水性のあるインクを選ぶことが重要です。耐水性のないインクだと、水彩絵の具で滲んでしまい、せっかくの線が台無しになってしまいます。
豊富なカラーインク:表現の幅を広げる
万年筆インクは、定番の黒や青だけでなく、赤、緑、紫など、数えきれないほどのカラーバリエーションがあります。絵のテーマや雰囲気に合わせて、様々な色のインクを試してみるのも楽しいですよ。
特に、日本のメーカーからは季節限定のインクや、地域限定のインクなども販売されており、コレクションする楽しみもあります。
予算で選ぶ:初心者でも始めやすい価格帯
万年筆は高価なものから手頃なものまで様々ですが、絵を描くために最初から高級な万年筆を用意する必要はありません。まずは、3,000円〜10,000円程度の価格帯から始めるのがおすすめです。
この価格帯でも、十分な品質と書き心地の万年筆がたくさんあります。万年筆に慣れてきたら、少しずつ高価なものに挑戦してみるのも良いでしょう。
【プロ厳選】万年筆で絵を描くためのおすすめ万年筆5選
ここでは、これまで数多くの万年筆で絵を描いてきた私が、自信を持っておすすめできる万年筆を5本ご紹介します。初心者の方でも使いやすく、絵の表現力を高めてくれるものばかりです。
1. パイロット カクノ:初心者にも優しい定番モデル
パイロット カクノは、その名の通り「書くの」が楽しくなるように設計された、万年筆初心者にとって最適なモデルです。ペン先は硬めで安定しており、紙の上をスムーズに滑ります。絵を描く際の線のコントロールもしやすいので、最初の1本におすすめです。
価格も手頃なので、気軽に万年筆画を始めたい方にぴったりです。
こんな絵におすすめ
- スケッチ、デッサン
- カリカチュア
- ちょっとした落書き
2. セーラー プロフィットジュニア:本格的な書き味を体験
セーラー プロフィットジュニアは、セーラー万年筆の入門モデルでありながら、本格的な書き味を楽しめます。ペン先はしなやかで、筆圧の強弱によって線の表情が変化しやすいのが特徴です。より表現豊かな絵を描きたい方におすすめです。
様々なカラーバリエーションがあるので、好きな色を選んでモチベーションを上げるのも良いでしょう。
こんな絵におすすめ
- 風景画
- 人物画
- 精密な描写を要するイラスト
3. プラチナ プレピー:カラーインクを楽しみたいなら
プラチナ プレピーは、驚くほど手頃な価格ながら、インク漏れが少なく、安定した書き味が魅力です。特に、豊富なカラーバリエーションのカートリッジインクが用意されているため、様々な色のインクで絵を描きたい方に最適です。
複数のプレピーを揃えて、色違いのインクを入れておくのもおすすめです。
こんな絵におすすめ
- カラフルなイラスト
- 塗り絵感覚で楽しむ絵
- 手帳イラスト

4. パイロット カスタム74:なめらかな書き心地で上級者にも
パイロット カスタム74は、万年筆の醍醐味である「なめらかな書き心地」を存分に味わえる一本です。金ペンならではのしなやかさがあり、筆圧の変化に繊細に反応します。より本格的に万年筆画に取り組みたい方や、ステップアップしたい方におすすめです。
長く愛用できる一本として、検討してみてはいかがでしょうか。
こんな絵におすすめ
- 水彩画の下書き
- 漫画のペン入れ
- 緻密なイラスト
5. ラミー サファリ:デザイン性と実用性を兼ね備える
ラミー サファリは、そのユニークなデザインと人間工学に基づいたグリップで、世界中で愛されている万年筆です。握りやすさが抜群で、長時間の筆記や描画でも疲れにくいのが特徴です。カジュアルなデザインで、普段使いにも最適です。
豊富なカラーバリエーションも魅力の一つで、自分好みの色を選ぶ楽しみもあります。
こんな絵におすすめ
- ラフスケッチ
- 外出先でのスケッチ
- モダンなイラスト
万年筆で絵を描く時の「紙」と「インク」の選び方
万年筆本体だけでなく、紙やインクの選び方も絵の仕上がりに大きく影響します。ここでは、万年筆で絵を描く際に最適な紙とインクの選び方について解説します。
絵を描くのに最適な紙:滲みにくく、裏抜けしにくいもの
万年筆で絵を描く際には、インクが滲みにくく、裏抜けしにくい紙を選ぶことが重要です。一般的なコピー用紙では、インクが滲んで線が太くなったり、裏に染み出してしまったりすることがあります。
おすすめの紙の種類
- 万年筆用紙:万年筆のために開発された専用紙で、インクの吸収性が良く、発色も美しいのが特徴です。トモエリバーやMD用紙などが有名です。
- 画用紙:厚手の画用紙は、インクの滲みを抑えやすく、水彩絵の具との相性も良いです。
- スケッチブック:外出先で気軽に絵を描きたい場合は、携帯しやすいスケッチブックが便利です。万年筆対応のものがおすすめです。
実際に色々な紙を試してみて、ご自身の万年筆やインクとの相性、そして描きたい絵のスタイルに合う紙を見つけるのが一番です。
絵を描くのに最適なインク:耐水性と色合いで選ぶ
前述しましたが、絵を描く際にはインクの耐水性が非常に重要です。水彩絵の具と組み合わせる場合は、耐水性の高いインクを選びましょう。
また、色の濃淡が綺麗に出るインクや、水に溶かすと独特の滲み方をするインクなど、様々な種類があります。色見本を参考に、お好みのインクを探してみてください。
最初は定番の黒や青で練習し、慣れてきたら茶色やセピア、グレーなどの落ち着いた色味のインクもおすすめです。線画に深みが増しますよ。
万年筆で絵を描く時のコツと注意点
万年筆で絵を描くのは、少し練習すれば誰でも楽しめます。ここでは、より上手に絵を描くためのコツと、注意すべき点をご紹介します。
万年筆絵画を上達させるコツ:練習と観察が鍵
絵を上達させるには、何よりも「描くこと」を続けることが大切です。毎日少しずつでも良いので、描く習慣をつけましょう。
対象をよく観察する
絵を描く対象をよく観察し、特徴を捉えることが重要です。光の当たり方や影の形、物の質感などを意識して描いてみましょう。
様々な線種を試す
万年筆は筆圧や角度によって様々な線が描けます。細い線、太い線、濃い線、薄い線など、意識的に使い分けてみましょう。線を重ねて濃淡を表現する「ハッチング」や「クロスハッチング」も効果的です。
お手本を模写する
好きな画家の作品やイラストなどを模写することで、構図や表現のヒントを得ることができます。最初は真似から始めて、少しずつ自分らしい表現を見つけていきましょう。
万年筆のメンテナンス:長く愛用するために
万年筆を長く愛用するためには、適切なメンテナンスが不可欠です。特に絵を描く際は、インクの詰まりに注意が必要です。
定期的な洗浄
インクを使い切ったら、またはしばらく使わない場合は、定期的に洗浄しましょう。水でペン先を洗い流すだけでも、インクの詰まりを防ぎ、スムーズな書き心地を保てます。
特に、色の違うインクに交換する際は、必ず洗浄してから新しいインクを入れましょう。混ざってしまうと、インクの色味が変わってしまうことがあります。

インクの乾燥に注意
万年筆はキャップをしっかり閉めて保管しないと、ペン先のインクが乾燥して詰まってしまいます。使わない時は必ずキャップを閉める習慣をつけましょう。
よくある質問:万年筆で絵を描くQ&A
ここでは、万年筆で絵を描くことに関してよくある質問にお答えします。
Q1: 万年筆で水彩画を描くことはできますか?
はい、万年筆と水彩絵の具を組み合わせることは可能です。万年筆で線画を描き、その上から水彩絵の具で色を塗ることで、独特の深みと透明感のある絵が描けます。この際、線画には必ず耐水性のインクを使用してください。
Q2: 万年筆のインクは水で薄めて使っても大丈夫ですか?
基本的にはおすすめしません。インクの成分が変化し、ペン詰まりの原因になったり、インク本来の色合いや耐水性が損なわれたりする可能性があります。薄めたい場合は、専用の薄め液を使用するか、インクそのものの濃淡で表現できる万年筆を選ぶことをおすすめします。
Q3: 万年筆で描いた絵は消せますか?
万年筆のインクは一度乾くと消えにくいものがほとんどです。鉛筆のように完全に消すことはできません。そのため、万年筆で絵を描く際は、一発勝負の覚悟で描くか、下書きを鉛筆で薄く描いてから万年筆でなぞるなどの工夫が必要です。
しかし、その「消せない」という制約が、かえって集中力を高め、より集中して絵に取り組むモチベーションになることもありますよ。
まとめ
万年筆で絵を描くことは、奥深く、そして非常にクリエイティブな趣味です。一本の万年筆とインク、そして一枚の紙があれば、あなただけの世界を表現することができます。
この記事では、万年筆で絵を描く魅力から、失敗しない万年筆選びのポイント、おすすめの万年筆、そして絵を描く際のコツまで、幅広く解説しました。
最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、万年筆ならではの線の表情やインクの濃淡は、他の画材では味わえない感動を与えてくれます。ぜひ、今日からあなたも万年筆アートの世界に飛び込んでみてください。きっと、あなたの日常がより豊かになるはずです。
さあ、お気に入りの万年筆を手に、あなただけのストーリーを描き始めましょう!
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