「せっかく万年筆を使おうと思ったのに、インクが出ない…」そんな経験、ありませんか?特にカートリッジ式の万年筆を使っている方にとって、インクが出ないのは非常によくあるトラブルです。
私もかつて、大事な場面で万年筆からインクが出なくなり、慌てた経験があります。しかし、ご安心ください。ほとんどの場合、ちょっとしたコツで簡単に解決できます。
この記事では、万年筆のカートリッジからインクが出ない時の主な原因と、自宅でできる具体的な解決策を徹底解説します。この記事を読めば、あなたの万年筆は再びスムーズに書けるようになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
- 万年筆のインクが出ない主な原因
- カートリッジ式万年筆のトラブル対処法
- 日頃からできるメンテナンス方法
- 万年筆を快適に使い続けるためのヒント
万年筆のインクが出ない!考えられる5つの主な原因
万年筆からインクが出ない場合、原因は一つではありません。ここでは、カートリッジ式万年筆でよくある5つの原因をご紹介します。あなたの万年筆がどれに当てはまるか、確認しながら読み進めてみてください。
カートリッジの問題
インクが満タンなのに出ないのはなぜ?
新しいカートリッジを取り付けたばかりなのにインクが出ない場合、カートリッジがきちんと奥まで差し込まれていない可能性があります。正しく差し込まれていないと、インクがペン先に供給されません。
カートリッジに空気が入っている可能性は?
インクは重力によってペン先に流れていきますが、カートリッジ内に大きな空気だまりがあると、インクの流れが阻害されることがあります。特に、インク残量が少なくなってきた時に起こりやすい現象です。
ペン先の乾燥・詰まり
インクが固まって詰まっているかも?
万年筆をしばらく使わずに放置したり、キャップをしっかり閉めていなかったりすると、ペン先のインクが乾燥して固まり、インクの通り道を塞いでしまうことがあります。これがインク詰まりの最も一般的な原因です。
ペン先(ニブ)の隙間が狭すぎる?
万年筆のペン先は、毛細管現象という原理でインクが流れます。ペン先の「スリット」と呼ばれる隙間が狭すぎると、インクがうまく流れないことがあります。これは、製造上の問題や、ペンを落とした際の衝撃などで起こりえます。
インク自体の問題
古いインクや粘度の高いインクに注意
カートリッジの中のインクが古くなると、粘度が高くなったり、不純物が析出したりして、インクフローが悪くなることがあります。また、粘度が高いインクは、そもそも万年筆には向かない場合があります。
万年筆本体の汚れ
内部に古いインクが残っていませんか?
カートリッジ交換時に、ペン先の裏側や首軸(ペン先と胴軸を繋ぐ部分)の内側に古いインクが固まって付着していると、新しいインクの流れを妨げることがあります。定期的な洗浄が重要です。

万年筆のインクが出ない時の即効解決策!カートリッジ式編
原因がわかったら、次はいよいよ解決策です。ここでは、カートリッジ式万年筆に特化した具体的な対処法をステップバイステップで解説します。焦らず、一つずつ試してみてくださいね。
応急処置!まずはここをチェック
カートリッジを奥までしっかり押し込む
カートリッジがきちんと奥まで差し込まれていない場合は、もう一度抜き差しして、「カチッ」と音がするまでしっかり押し込んでください。これでインクが出るようになることも多いです。
ペン先を優しく拭いてみる
ペン先の表面にホコリや乾燥したインクが付着していると、インクが出にくくなることがあります。ティッシュペーパーや柔らかい布で、ペン先を優しく拭いてみましょう。この時、ペン先の溝(スリット)に沿って拭くと効果的です。
ペン先の乾燥・詰まりを解消する洗浄方法
ぬるま湯での簡単洗浄
ペン先のインク詰まりが疑われる場合、ぬるま湯を使った洗浄が効果的です。水かぬるま湯を少量用意し、ペン先を数分間浸すだけで、固まったインクが溶けやすくなります。
- 首軸からペン先部分を取り外せる場合は、外して洗浄するとより効果的です。
- コップなどにぬるま湯を入れ、ペン先を浸します。
- 数分後、水中でペン先を軽く振ったり、そっと押し当ててインクを押し出すようにしたりすると良いでしょう。
- インクの色が出なくなるまで繰り返します。

超音波洗浄器を使ったディープクリーン
もし超音波洗浄器をお持ちであれば、万年筆の洗浄にも活用できます。より強力にインクの詰まりを取り除くことができますが、万年筆の素材によっては使えないものもあるので注意が必要です。
- ペン先を外し、水を入れた超音波洗浄器に入れます。
- 数分間洗浄し、その後きれいな水でよくすすぎます。
- 使用前に必ず万年筆のメーカーの指示を確認してください。
インクの流れを良くする裏技
水で薄めるのは最終手段?
インクの粘度が高すぎると感じる場合、ごく少量の精製水で薄めるという方法もあります。しかし、これはインクの品質や色合いに影響を与える可能性があるので、最終手段と考えてください。
ペン先を軽く揺らす・筆記角度を変える
インクの流れが悪いと感じたら、万年筆を軽く揺らしたり、筆記角度を少し変えたりしてみてください。これだけでインクが流れ出すこともあります。
万年筆のインクが出なくなるのを防ぐ!日頃のメンテナンス術
インクが出ないトラブルは、日頃のちょっとした心がけで防ぐことができます。ここでは、万年筆を長く快適に使うためのメンテナンス方法をご紹介します。
万年筆の洗浄はどれくらいの頻度で必要?
万年筆の洗浄は、最低でも3ヶ月に一度、あるいはインクの色を変える際に毎回行うのが理想的です。定期的に洗浄することで、インクの詰まりを防ぎ、万年筆の寿命を延ばすことができます。
- 毎日使う場合:3ヶ月〜半年に一度
- 時々使う場合:1ヶ月〜3ヶ月に一度、またはインクの色を変える時
- しばらく使わない場合:使い終わったら必ず洗浄し、保管する
洗浄液を使うべき?
通常の洗浄は水で十分ですが、インクの固着がひどい場合や、より徹底的に洗浄したい場合は、万年筆専用の洗浄液を使用するのも良いでしょう。市販の洗浄液は、インクを分解する成分が含まれています。
正しい保管方法と扱い方
キャップはしっかり閉める
万年筆を使用しない時は、必ずキャップをしっかりと閉めてください。キャップが緩んでいると、ペン先が空気に触れて乾燥し、インク詰まりの原因となります。
ペン先を上にして保管しない
万年筆を保管する際は、ペン先を上にした状態で長時間放置しないようにしましょう。インクがペン先から離れてしまい、次に使う時にインクが出にくくなることがあります。ペン先を下向きにするか、水平に保管するのが理想的です。
定期的にインクを使い切る
同じインクをカートリッジに入れたまま長期間放置すると、インクが劣化したり、固まったりする原因になります。できるだけインクを使い切り、新しいインクに交換するように心がけましょう。

解決しない時の最終手段と相談先
上記の対処法を試してもインクが出ない場合は、より専門的な対応が必要かもしれません。ここでは、自分では解決できない場合の対処法と相談先について解説します。
メーカーへの問い合わせ
万年筆の購入元やメーカーに問い合わせてみましょう。製品の保証期間内であれば、修理や交換の対応をしてくれる可能性があります。トラブルの内容を具体的に伝えることで、スムーズなサポートが受けられます。
専門店での修理・調整
万年筆の専門店では、ペン先の調整やオーバーホールなど、専門的な修理サービスを提供している場合があります。自分で解決できない、または高価な万年筆の場合は、専門家に見てもらうのが最も確実な方法です。
まとめ
万年筆のカートリッジからインクが出ないトラブルは、多くの場合、インクの乾燥や詰まり、カートリッジの不完全な装着が原因です。この記事でご紹介したように、ぬるま湯での洗浄やカートリッジの再装着など、自宅でできる簡単な対処法で解決することがほとんどです。
日頃から適切なメンテナンスを行い、大切に扱うことで、あなたの万年筆はきっと最高の書き心地を提供し続けてくれるでしょう。
もし、今回ご紹介した方法を試しても問題が解決しない場合は、無理せずメーカーや万年筆専門店に相談してみてくださいね。あなたの万年筆ライフがより豊かになることを願っています!
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