万年筆のコンバーターに誤って水が入ってしまい、「どうすればいいの?」「万年筆が壊れるのでは?」と不安に感じているあなたへ。ご安心ください。この状況はよくあることで、適切な対処をすれば大切な万年筆を守ることができます。
この記事では、万年筆のコンバーターに水が入ってしまった場合の具体的な対処法から、今後の予防策、さらには「水洗い」に関する疑問まで、万年筆愛用者の私が網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたの疑問が解消され、安心して万年筆を使い続けることができるでしょう。
万年筆コンバーターに水が入る緊急事態!まず確認すべきこと
万年筆のコンバーターに水が入ってしまったとき、焦ってしまいますよね。まずは落ち着いて、以下の点を確認しましょう。
万年筆の種類によって対処法は変わる?
万年筆には、「コンバーター式」「カートリッジ式」「吸入式」など、様々なインク供給方式があります。コンバーターに水が入ったということは、お使いの万年筆はコンバーター式か、カートリッジとコンバーター両用式であることがほとんどです。
コンバーターは、インクを吸入して使用する、いわば「再利用可能なカートリッジ」のようなものです。このコンバーターに水が入ってしまった場合、適切な対処が必要です。
水が入ったコンバーター、そのまま使って大丈夫?
結論から言うと、水が入ったコンバーターをそのまま使用するのは避けるべきです。インクが薄まったり、色が変わってしまったりするだけでなく、万年筆の内部に水が残ることで、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
特に、インクは水性なので、水と混ざりやすい性質があります。しかし、水が乾ききらずに中に残ってしまうと、インクの変質や、最悪の場合、カビの発生につながることもあります。大切な万年筆を長く使うためにも、適切な処置を行いましょう。
万年筆コンバーターに水が入った時の正しい対処法
それでは、実際に水が入ってしまった場合の対処法について、具体的なステップで解説していきます。
ステップ1:万年筆本体からコンバーターを外す
まずは、万年筆本体からコンバーターを慎重に取り外しましょう。力を入れすぎると、部品を破損させてしまう可能性があるので注意してください。
- 首軸をしっかりと持ち、コンバーターをゆっくりと引き抜きます。
- インクが残っている場合は、ティッシュなどで拭き取りましょう。
ステップ2:コンバーター内部の水を完全に排出する
次に、コンバーター内の水を完全に排出します。これが最も重要な工程です。
水の排出方法としては、以下の2つが考えられます。
- コンバーターを振って水を出す:軽く振り、内部の水を全て出します。
- スポイトや注射器で水を吸い取る:より確実に水を抜きたい場合におすすめです。文具店や薬局で手に入ります。

ステップ3:コンバーターを完全に乾燥させる方法
水を排出した後は、コンバーターを完全に乾燥させることが大切です。湿気が残っていると、カビやインクの変質の原因になります。
自然乾燥が基本!乾燥時間を確保しよう
最も安全なのは、自然乾燥です。清潔な布やティッシュの上に置き、直射日光の当たらない風通しの良い場所で数時間から1日程度乾燥させましょう。急いでいるからといって、ドライヤーの熱風を当てるのは避けてください。コンバーターの素材によっては、変形してしまう可能性があります。
インクの色残りや汚れが気になる場合の水洗い
コンバーター内部にインクの色残りや汚れが気になる場合は、ぬるま湯での洗浄も有効です。ただし、洗剤は使わず、水だけで優しく洗いましょう。洗浄後も、しっかりと水を切り、完全に乾燥させることが重要です。
万年筆コンバーターへの水の侵入を防ぐ予防策
一度経験すると、もう二度と水を入れたくないと思いますよね。ここでは、予防策について解説します。
インク補充時の注意点:水入れ防止の徹底
コンバーターに水が入ってしまう原因のほとんどは、インク補充時の不注意です。以下の点に注意することで、水の侵入を防ぐことができます。
- インク瓶の口をしっかりと拭く:インク補充後、インク瓶の口に水滴が残っていると、それがコンバーターに入り込む原因になります。
- コンバーターをインク瓶に深く入れすぎない:コンバーター全体をインクに浸す必要はありません。先端がインクに触れる程度で十分です。
- インク補充作業は落ち着いて行う:急いでいる時に作業すると、思わぬミスにつながりやすいです。
万年筆の保管場所も重要?
意外と見落としがちなのが、万年筆の保管場所です。湿気の多い場所での保管は、コンバーターだけでなく、万年筆本体にも悪影響を与える可能性があります。なるべく乾燥した場所で保管するように心がけましょう。
また、筆記具は立てて保管する方もいるかと思いますが、万年筆の場合は、ペン先を上にして立てて保管すると、インク漏れのリスクを減らせると言われています。これは、インクがペン先に流れ落ちるのを防ぐためです。

コンバーターの寿命と交換時期:長く使うための秘訣
コンバーターは消耗品であることをご存知でしたか?適切なケアと交換で、万年筆を快適に使い続けられます。
コンバーターの交換サインを見逃さない
コンバーターにも寿命があります。以下のようなサインが見られたら、交換を検討しましょう。
- インクの吸入が悪くなった:ピストン部分の摩耗や劣化が原因かもしれません。
- 水漏れやインク漏れが起こる:内部の密閉性が低下している可能性があります。
- 内部に頑固な汚れがこびりついている:洗浄しても落ちない汚れは、インクの流れを阻害する原因になります。
新しいコンバーターに交換することで、万年筆の書き味が劇的に改善することもあります。定期的なチェックをおすすめします。
純正品と互換品、どちらを選ぶべき?
コンバーターには、万年筆メーカーの純正品と、他社製の互換品があります。
- 純正品:万年筆本体との相性が最も良く、安心して使用できます。
- 互換品:安価で購入できることが多いですが、万年筆の種類によっては適合しない場合もあります。購入前に必ず互換性を確認しましょう。
大切な万年筆を守るためにも、できる限り純正品を選ぶのが賢明です。
万年筆のメンテナンスに関するよくある疑問Q&A
万年筆のお手入れに関して、よくある疑問にお答えします。
「万年筆を水洗いする」ってどういうこと?
「万年筆を水洗いする」とは、万年筆の内部に残ったインクを水で洗い流し、清潔な状態にすることを指します。
特に、インクの色を変える際や、しばらく万年筆を使わない場合に推奨されるメンテナンス方法です。ペン先からコンバーター(またはカートリッジ挿入部)を通して水を吸入・排出することで、内部を洗浄します。
定期的な水洗いは、インク詰まりを防ぎ、万年筆の寿命を延ばすために非常に効果的です。ただし、洗浄後はしっかりと乾燥させることが重要ですよ。

万年筆の保管はキャップを閉める?開ける?
万年筆の保管は、キャップをしっかりと閉めて保管するのが基本です。
キャップを開けっ放しにすると、ペン先のインクが乾燥して固まってしまい、インク詰まりの原因になります。特に、ペン先はデリケートな部分なので、乾燥は大敵です。
ただし、ごく短時間であればキャップを開けていても問題ありませんが、しばらく筆記しない場合は必ずキャップを閉める習慣をつけましょう。
まとめ
万年筆のコンバーターに水が入ってしまっても、適切な対処をすれば問題なく使い続けることができます。今回の記事で、あなたの不安が少しでも解消されたなら幸いです。
大切なことは、落ち着いて正しい手順で対処すること、そして日頃から予防策を講じることです。定期的なメンテナンスと、ちょっとした気遣いで、あなたの万年筆はきっと長く、快適な筆記体験を提供し続けてくれるでしょう。
もし、今回ご紹介した方法を試しても状況が改善しない場合は、購入した店舗や万年筆専門店のプロに相談することをおすすめします。あなたの万年筆ライフが、より豊かになることを願っています。
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