「万年筆のインク詰まりに悩んでいる…」「正しいお手入れ方法がわからない…」そんなお悩みをお持ちではないでしょうか? 万年筆はデリケートな筆記具だからこそ、適切な洗い方と乾かし方を知ることが、その美しい書き味を長く保つ秘訣です。
この記事では、万年筆を愛用する私が実際に経験した失敗談も交えながら、万年筆を長持ちさせるための徹底的なお手入れ方法を分かりやすく解説します。読み終わる頃には、あなたの万年筆がより一層輝きを放ち、書くことがもっと楽しくなりますよ。
万年筆の洗浄はなぜ必要?インク詰まりを防ぐ理由
万年筆のインク詰まりが起こるメカニズム
インクが固まる原因とリスク
万年筆のインクは、時間が経つと水分が蒸発して濃縮されたり、顔料が沈殿したりすることで固まってしまいます。特に、万年筆をしばらく使わずに放置すると、ペン先の内部でインクが固まり、インクフローが悪くなったり、最悪の場合は全くインクが出なくなったりする原因となります。

定期的な洗浄が万年筆を長持ちさせるカギ
万年筆を定期的に洗浄することで、このようなインク詰まりを未然に防ぎ、常にスムーズなインクフローを保つことができます。また、異なる色のインクに交換する際も、洗浄することで前のインクの色が混ざるのを防ぎ、本来の色味を楽しむことができます。
万年筆の洗い方完全ガイド:基本から応用まで
日常使いの万年筆洗浄ステップ
用意するものと事前準備
万年筆の洗浄に必要なものは、以下の通りです。どれも手軽に用意できるものばかりですね。
- ぬるま湯(30~40℃程度)
- 清潔なティッシュペーパーまたは柔らかい布
- コップや容器
- (必要であれば)万年筆洗浄液
洗浄を始める前に、万年筆からコンバーターやカートリッジを外しておきましょう。インクが残っている場合は、ティッシュなどで軽く拭き取っておくと、後の作業が楽になります。
インク詰まりを解消する洗浄方法
コンバーターを使った洗い方
最も一般的な洗浄方法が、コンバーターを使った方法です。コンバーターは、インクを吸入するための部品ですが、これを活用することで、ペン先の内部を効率的に洗浄できます。
- ペン先をぬるま湯に浸し、コンバーターを回して水を吸い込み、吐き出す作業を繰り返します。
- 水が透明になるまで、この作業を繰り返してください。
- コンバーターを外して、内部も水でよくすすぎます。

カートリッジを装着したままの洗い方
カートリッジ式の万年筆でも、簡単な洗浄が可能です。
- カートリッジを外し、ペン先をぬるま湯に浸します。
- ペン先を軽く振るようにして、内部のインクを洗い流します。
- ぬるま湯を交換しながら、水が透明になるまで繰り返します。
つけ置き洗いと超音波洗浄器の活用
頑固なインク詰まりには、つけ置き洗いや超音波洗浄器が有効です。
- つけ置き洗い:ぬるま湯に万年筆のペン先部分を浸し、数時間から一晩放置します。この際、万年筆専用の洗浄液を使用すると、より効果的です。
- 超音波洗浄器:メガネの洗浄などで使われる超音波洗浄器も、万年筆の微細な部分の汚れを落とすのに役立ちます。ただし、万年筆の材質によっては使用できない場合もあるため、事前に確認が必要です。
注意点:万年筆の素材に合わせた洗浄方法
水洗いできない部品と洗浄液の選び方
万年筆の中には、軸やキャップに木材や漆などのデリケートな素材が使われているものもあります。これらの部品は、水洗いによって変質したり、色落ちしたりする可能性があるため、注意が必要です。洗浄の際は、ペン先とコンバーター、またはカートリッジ部分のみを外し、水洗いするようにしましょう。
また、洗浄液を選ぶ際には、万年筆専用のものを使用し、漂白剤やアルコールを含む洗剤は絶対に避けてください。これらは万年筆の素材を傷つけ、劣化させてしまう可能性があります。
万年筆の乾かし方:寿命を延ばす正しい方法
自然乾燥が基本!水気をしっかり取るポイント
ティッシュや柔らかい布で優しく拭く
万年筆を洗浄した後は、水気をしっかりと取り除くことが非常に重要です。まずは、清潔なティッシュペーパーや柔らかい布で、ペン先やコンバーター、軸などの表面の水分を優しく拭き取ります。

風通しの良い場所でしっかり乾燥させる
表面の水分を拭き取った後は、万年筆を分解した状態で風通しの良い場所に置き、自然乾燥させます。ペン先は、インクが通る細い溝があるため、完全に乾燥するまでに時間がかかります。焦らず、最低でも数時間、できれば一晩ほど放置して、内部までしっかりと乾燥させましょう。
やってはいけない乾かし方と注意点
ドライヤーや直射日光は厳禁
万年筆を早く乾かしたいからといって、ドライヤーの熱風を当てたり、直射日光にさらしたりすることは絶対に避けてください。急激な温度変化や過度な乾燥は、ペン先の変形や軸のひび割れなど、万年筆に深刻なダメージを与える可能性があります。
完全に乾くまでインクを入れない理由
完全に乾いていない状態でインクを入れてしまうと、残っていた水分とインクが混ざり合い、インクの濃度が薄まったり、最悪の場合はカビが発生したりする原因となります。万年筆を長く清潔に使うためにも、焦らず完全に乾燥するのを待ちましょう。
万年筆のインク交換と洗浄頻度
インクを使い切ったら洗浄?色変えのコツ
インクの色の変更時は必ず洗浄する
万年筆のインクの色を変える際は、必ずペン先とコンバーター(またはカートリッジ)を洗浄するようにしてください。前の色のインクが残っていると、新しいインクと混ざり合い、本来の色味が出なかったり、インクフローが悪くなったりすることがあります。
同色系のインクなら洗浄は不要?
同じ色、または非常に近い同色系のインクであれば、毎回洗浄する必要はありません。しかし、それでも定期的な洗浄は万年筆の健康を保つ上で重要です。目安としては、2~3回インクを使い切ったら、一度しっかりと洗浄するのがおすすめです。
万年筆を長期間使わない場合の保管方法
インクを抜いて洗浄・乾燥が必須
万年筆を長期間使わない場合は、必ずインクを全て抜き、洗浄・乾燥させてから保管するようにしましょう。インクを入れたまま放置すると、インク詰まりの原因になるだけでなく、インクが固着して万年筆を傷めてしまう可能性があります。
保管場所の選び方と注意点
万年筆は、直射日光が当たらず、温度変化の少ない冷暗所に保管するのが理想的です。乾燥しすぎる場所や湿度の高い場所も避け、風通しの良い場所を選びましょう。専用のペンケースやペンスタンドに入れて保管すると、傷やホコリから万年筆を守ることができます。
まとめ
万年筆を長く快適に使うためには、正しい洗い方と乾かし方を知り、実践することが非常に重要です。定期的なお手入れは、インク詰まりを防ぎ、万年筆本来の美しい書き味を保つだけでなく、お気に入りの一本を長持ちさせる秘訣でもあります。
この記事でご紹介した洗浄と乾燥のポイントを参考に、ぜひあなたの万年筆を大切にケアしてあげてくださいね。適切なケアをすることで、あなたの万年筆はきっと、これからもたくさんの素敵な文字を綴ってくれることでしょう。
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