「万年筆、欲しいけどどれがいいの?」
特に「吸入式」と聞くと、種類が多くて迷ってしまいますよね。私も初めて吸入式万年筆を選んだ時は、何から手をつけて良いのか分からず、ずいぶん悩んだものです。
この記事では、吸入式万年筆の選び方から、後悔しないためのおすすめモデルまで、あなたの疑問を解決するための情報を網羅的に解説します。これを読めば、あなたにぴったりの一本がきっと見つかりますよ。
さあ、一緒に最高の吸入式万年筆を見つけましょう!
万年筆の吸入式とは?その魅力とメリット・デメリット
万年筆にはインクを補充する方法がいくつかありますが、「吸入式」はその中でも特に愛好家が多い方式です。まずは、吸入式の基本的な知識から見ていきましょう。
吸入式万年筆の仕組みと特徴
吸入式万年筆は、本体に内蔵された吸入機構を使って、ペン先から直接インクを吸い上げる方式です。主に、ピストン吸入式やプランジャー吸入式などがあります。
- ピストン吸入式:軸の尾栓を回すことで内部のピストンが動き、インクを吸い上げます。
- プランジャー吸入式:レバーやボタンを操作することで、一気にインクを吸い上げます。
どちらのタイプも、インクボトルから直接インクを吸い上げるため、万年筆の軸全体にインクを貯めることができます。この点が、カートリッジ式やコンバーター式との大きな違いですね。

吸入式万年筆を使うメリット
吸入式万年筆には、他の方式にはない多くのメリットがあります。
- 大容量のインクタンク:軸全体がインクタンクになるため、カートリッジやコンバーターよりもはるかに多くのインクを保持できます。頻繁なインク補充の手間が省けますね。
- 豊富なインクの色を楽しめる:市販されているボトルインクは、色や香りのバリエーションが非常に豊富です。吸入式なら、これらの魅力的なインクを自由に試すことができます。
- 筆記体験の向上:インクフローが安定しやすく、筆記中にインク切れを起こしにくいという利点もあります。これは、長文を書く方には特に嬉しいポイントではないでしょうか。
- 経済的:カートリッジを買い続けるよりも、ボトルインクを購入する方が長期的には経済的です。
吸入式万年筆のデメリットと注意点
一方で、吸入式万年筆にはいくつかのデメリットもあります。購入前にしっかり確認しておきましょう。
- インク補充の手間:インクボトルからの補充は、慣れるまでは少し手間がかかります。手や机が汚れる可能性もゼロではありません。
- 携帯時の注意:大容量のインクを保持するため、衝撃や気圧の変化でインク漏れのリスクがわずかに高まります。持ち運びには注意が必要です。
- メンテナンス:定期的な洗浄が必要です。インクが乾燥して固まると、故障の原因になることもあります。
- 価格帯:カートリッジ式やコンバーター式に比べて、吸入式は高価なモデルが多い傾向にあります。

吸入式万年筆の選び方:後悔しないための3つのポイント
吸入式万年筆を選ぶ際に、何を基準にすれば良いのでしょうか。ここでは、失敗しないための重要なポイントを3つご紹介します。
ポイント1:インク吸入方式で選ぶ
吸入式と一口に言っても、吸入方式によって使い勝手や特徴が異なります。代表的な方式を押さえておきましょう。
ピストン吸入式
- 最も一般的な吸入方式で、軸尾栓を回してピストンを動かし、インクを吸い上げます。
- 構造がシンプルで耐久性が高く、メンテナンスも比較的容易です。
- 多くのメーカーが採用しており、幅広い価格帯のモデルがあります。
プランジャー吸入式
- レバーやボタンを操作して、一気にインクを吸い上げる方式です。
- インク吸入時のダイナミックな動きが魅力で、一度に吸入できるインク量が多い傾向にあります。
- 構造が複雑なため、高価なモデルに採用されることが多いです。
その他の吸入方式
他にも、クリップを操作してインクを吸入するバキュームフィラーなど、個性的な吸入方式もあります。それぞれに魅力があるので、興味があれば調べてみるのも良いでしょう。
ポイント2:ペン先の素材と硬さで選ぶ
万年筆の書き味を左右する重要な要素が「ペン先」です。素材と硬さに注目して選びましょう。
ペン先の素材
- 金(ゴールド):一般的に柔らかく、しなやかな書き味が特徴です。使い込むほどに書き手の癖に馴染みやすいと言われています。
- ステンレス:比較的硬く、丈夫で安定した書き味が特徴です。初心者にも扱いやすく、手頃な価格帯のモデルに多く採用されています。
どちらが良いというよりも、どのような書き味を求めるかによって選び方が変わります。
ペン先の硬さ(字幅)
ペン先の硬さ(字幅)は、F(細字)、M(中字)、B(太字)などが一般的です。他にもEF(極細字)やC(コース)など、多様な字幅があります。
- 細字(F, EF):手帳やノートに細かい文字を書きたい方におすすめです。日本語のトメ・ハネ・ハライを美しく表現しやすい特徴があります。
- 中字(M):普段使いに最適で、滑らかな書き味を楽しめます。手紙やサインなど、幅広い用途に対応できます。
- 太字(B, C):筆記に強弱をつけたい方や、サイン、宛名書きなどに適しています。インクの色味を存分に楽しめるのも魅力です。
実際に試筆してみるのが一番です。 文具店などで試し書きをして、ご自身の筆記スタイルに合う字幅を見つけてください。
ポイント3:デザインと重さ、バランスで選ぶ
毎日使うものだからこそ、見た目のデザインや、持った時のフィット感も大切です。
デザイン
シンプルなものから装飾が施されたものまで、万年筆のデザインは多種多様です。ご自身の好みや、使用シーンに合ったデザインを選びましょう。ビジネスシーンで使うなら落ち着いたデザイン、プライベートなら遊び心のあるデザインなど、使い分けるのも素敵ですね。
重さとバランス
万年筆の重さや重心のバランスは、筆記の疲れやすさに直結します。軽すぎる万年筆は安定感に欠け、重すぎる万年筆は長時間の筆記で疲れることがあります。また、キャップを閉めた時と開けた時、キャップを軸尾にはめた時とそうでない時で、重心が変わることもあります。
こればかりは、実際に手に取って試してみるのが一番です。 数分間、試し書きをしてみて、ご自身の手にしっくりくる重さやバランスの万年筆を選びましょう。
吸入式万年筆を長く愛用するためのメンテナンス方法
お気に入りの吸入式万年筆を長く快適に使うためには、適切なメンテナンスが不可欠です。少しの手間を惜しまなければ、万年筆はあなたの「相棒」として、何十年も活躍してくれるでしょう。
日常のお手入れのポイント
毎日、あるいは数日に一度の軽いお手入れで、万年筆の状態を良好に保つことができます。
- 使用後の拭き取り:筆記後、ペン先や首軸に付着したインクを柔らかい布で優しく拭き取りましょう。
- キャップの締め方:使用しない時は、インクの乾燥を防ぐため、しっかりとキャップを閉めてください。
- インクの残量確認:インク切れになる前に補充することで、ペン先への負担を減らせます。

定期的な洗浄方法と注意点
万年筆は、定期的に洗浄することで、インク詰まりを防ぎ、常に最高の書き味を保つことができます。インクの色を変える際も、必ず洗浄を行いましょう。
洗浄の手順
- インクを抜く:吸入機構を操作して、残っているインクをボトルに戻します。
- 水で吸入・排出を繰り返す:コップにきれいな水を用意し、万年筆を浸してインクを吸入する要領で水を吸い上げ、排出する作業を繰り返します。排出される水に色が付かなくなるまで繰り返しましょう。
- 自然乾燥させる:洗浄が終わったら、ティッシュペーパーなどで軽く水気を拭き取り、風通しの良い場所でペン先を下にして自然乾燥させます。
洗浄時の注意点
- ぬるま湯を使う:水ではなく、人肌程度のぬるま湯を使うと、インクが溶けやすくなります。
- 洗剤は使わない:万年筆専用のクリーナー以外は、洗剤を使用しないでください。万年筆の素材を傷める可能性があります。
- 分解は慎重に:分解できるモデルもありますが、慣れないうちは無理に分解せず、専門家やメーカーに相談することをおすすめします。
吸入式万年筆に関するよくある質問
吸入式万年筆にまつわる、よくある疑問にお答えします。購入前や使用中の不安を解消しましょう。
Q1:吸入式万年筆のインクはどんな種類を選べばいいですか?
A1:吸入式万年筆には、基本的にボトルインクを使用します。各万年筆メーカーから、豊富な色のボトルインクが販売されています。顔料インク、染料インク、古典インクなど様々な種類がありますが、初めての場合は発色が良く扱いやすい染料インクがおすすめです。
注意点としては、インクによっては万年筆との相性がある場合があることです。特に、顔料インクは耐水性や耐光性に優れますが、万年筆の内部で固まりやすい性質があるため、こまめな洗浄が必要です。
Q2:インクの補充が難しいのですが、コツはありますか?
A2:インクの補充は、慣れるまでは少し戸惑うかもしれません。いくつかのコツを覚えておきましょう。
- ペン先をインクに深く浸す:ペン先全体がインクに浸かるようにすることで、スムーズに吸入できます。
- ゆっくりと吸入する:急いで吸入しようとすると、気泡が入りやすくなります。ゆっくりと時間をかけて吸入してください。
- 吸入後はティッシュで拭く:吸入し終わったら、ペン先や首軸に付着した余分なインクを優しく拭き取ってください。
動画サイトなどで、実際の補充方法を確認するのも良いでしょう。数回試せば、きっと慣れてきますよ。
Q3:吸入式万年筆はどのくらいの頻度で使えば良いですか?
A3:吸入式万年筆は、毎日使うのが理想的です。使わない期間が長くなると、インクが乾燥して詰まりやすくなることがあります。もし長期間使用しない場合は、事前に洗浄してインクを抜いておくことをおすすめします。
どうしても使えない日が続く場合は、数日に一度、試し書きをするだけでもインクの乾燥を防ぐことができます。あなたの万年筆を「書く」という行為で、定期的に潤してあげましょう。
まとめ
今回は吸入式万年筆の魅力から選び方、長く愛用するためのメンテナンス方法まで、網羅的に解説しました。
吸入式万年筆は、インクの豊かな色彩を楽しめ、大容量で筆記に集中できるという、万年筆愛好家にとってたまらない魅力が詰まっています。初めての一本を選ぶ方も、すでに何本かお持ちの方も、この記事があなたの理想の万年筆を見つける一助となれば幸いです。
ぜひ、あなたにとって最高の吸入式万年筆を見つけて、書くことの喜びを存分に味わってください。きっと、あなたの日常がより豊かになりますよ。
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