「万年筆のインクがうまく出ない…」「気づいたらペン先が乾いている!」そんな経験はありませんか?もしかしたら、その原因は万年筆の保管向きにあるかもしれません。多くの方が意外と知らない、万年筆を長持ちさせるための正しい保管方法について、ベテランの万年筆ユーザーである私が徹底解説します。この記事を読めば、あなたの愛する万年筆がいつでも最高の書き心地を保つ秘訣がわかりますよ!
万年筆の保管、なぜ向きが重要?インク詰まりの意外な原因
万年筆を長く愛用するためには、保管方法が非常に重要です。特に「向き」は、インクの固着やペン先の乾燥といったトラブルに直結する、見落としがちなポイントなんですよ。
ペン先は「上向き」が基本!インクの乾燥を防ぐ理由
万年筆の保管において、最も基本的な向きはペン先を上にすることです。これは、インクがペン芯に固着するのを防ぐためなんです。
- 重力でインクが落ちる:ペン先を上にすることで、万年筆内部のインクは重力によってペン先から離れ、コンバーターやカートリッジの方へ流れ落ちていきます。
- ペン先の乾燥を抑制:これにより、ペン先の乾燥を防ぎ、いざ書こうと思った時にインクが出ないというトラブルを避けることができます。

「横向き」でもOK!万年筆に優しい保管環境
常にペン先を上にするのが難しい場合でも、横向きでの保管も問題ありません。むしろ、ペンによっては横向きの方が安定して保管できることもあります。
- インク漏れのリスク軽減:ペン先を下にしてしまうと、インク漏れの原因になることがあります。横向きにすることで、このリスクを軽減できます。
- 物理的なダメージを回避:ペンケースなどに収納する際も、横向きにすることで、万年筆本体やペン先への不要な力が加わるのを防げます。
「下向き」はNG!インク漏れやペン芯固着のリスク
絶対に避けてほしいのが、万年筆をペン先を下向きにして長時間保管することです。これは万年筆にとって非常に大きなダメージを与える可能性があります。
- インク漏れの原因:重力によってインクがペン先に集中し、キャップの隙間から漏れ出すことがあります。
- ペン芯のインク固着:ペン芯にインクが溜まったまま乾燥すると、固着してインクフローが悪くなったり、最悪の場合、ペン芯が詰まってしまうこともあります。
万年筆を良い状態で保つための保管環境
万年筆の「向き」だけでなく、保管する環境も万年筆の寿命に大きく影響します。温度や湿度、光など、さまざまな要素に注意して、快適な保管場所を見つけてあげましょう。
温度と湿度の管理:万年筆の天敵は「乾燥」と「急激な変化」
万年筆は、人間と同じように、適切な温度と湿度の環境を好みます。特に、「乾燥」と「急激な温度・湿度の変化」は万年筆の天敵です。
- 乾燥:インクが乾きやすくなり、インク詰まりの原因になります。冬場の暖房の効いた部屋や、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
- 急激な変化:万年筆の軸の素材によっては、急激な温度変化でひび割れたり、変形したりする可能性があります。樹脂製の万年筆も、長期間の極端な環境変化は避けたいところです。
理想は、直射日光が当たらず、温度変化の少ない安定した場所です。引き出しの中や、専用のペンケースなどがおすすめです。
直射日光とホコリから守る:大切な万年筆を傷めないために
直射日光やホコリも、万年筆にとっては好ましくない要素です。
- 直射日光:インクの劣化を早めたり、軸の変色やひび割れの原因になることがあります。特に、透明軸や鮮やかな色の軸は注意が必要です。
- ホコリ:ペン先にホコリが付着すると、インクフローが悪くなる原因になります。また、ペン先の隙間に入り込むと、洗浄が難しくなることもあります。
これらから守るためには、蓋つきのペンケースや引き出しに保管するのが効果的です。見せる収納にしたい場合は、UVカット機能のあるガラスケースなども検討すると良いでしょう。

長期保管する際の万年筆メンテナンスと注意点
数日から数週間、あるいはそれ以上の期間、万年筆を使わない場合は、適切なメンテナンスを行ってから保管することが大切です。これを怠ると、いざ使おうと思った時に大きなトラブルに見舞われる可能性があります。
インクは抜くべき?短期と長期で異なる対応
数日〜1週間程度の短期保管
毎日使うのであれば、インクを入れたままでも問題ありません。むしろ、インクを循環させることで、万年筆の調子を良好に保つことができます。
ただし、数日使わない場合は、ペン先を上向きにして保管することで、ペン先の乾燥を防ぐことができます。
1週間以上の長期保管
1週間以上万年筆を使わない場合は、必ずインクを抜いて洗浄することを強くおすすめします。
- インクの固着防止:インクを入れたまま長時間放置すると、インクが固まってペン芯やペン先が詰まり、洗浄が非常に困難になります。
- 素材への影響:インクの種類によっては、長期的に万年筆の内部素材に影響を与える可能性もあります。

万年筆の洗浄方法:インクを完全に除去する手順
長期保管前には、万年筆の洗浄を徹底しましょう。洗浄方法は、万年筆の種類(カートリッジ式、コンバーター式、吸入式)によって若干異なりますが、基本的な流れは以下の通りです。
- インクを抜く:カートリッジやコンバーターのインクを抜き、吸入式の場合はインクを瓶に戻します。
- 水洗い:
- カートリッジ/コンバーター式:ペン先を水に浸し、コンバーターを付けたり外したりして水を通します。インクの色が出なくなるまで繰り返します。
- 吸入式:インクを吸入するように水を吸い込み、排出する作業を繰り返します。
- 乾燥:洗浄後は、完全に水分がなくなるまで乾燥させます。柔らかい布で拭き取り、風通しの良い場所で数日置くと良いでしょう。
より詳しい洗浄方法については、お使いの万年筆のメーカーのウェブサイトや取扱説明書を参照してくださいね。
万年筆の保管におすすめのアイテム
大切な万年筆を守り、美しく保管するためには、適切なアイテムを活用することも有効です。いくつかの選択肢をご紹介します。
専用ペンケース:持ち運びにもコレクションにも最適
万年筆専用のペンケースは、保管だけでなく持ち運びにも便利です。素材やデザインも豊富なので、お気に入りの万年筆にぴったりのものを選びましょう。
- 革製ペンケース:高級感があり、使えば使うほど味が出ます。一本差しから複数本収納できるタイプまで様々です。
- 木製ペンケース:万年筆の素材感と相性が良く、重厚感があります。見せる収納としても人気です。
- 布製ペンケース:軽量で持ち運びやすく、カジュアルに使えます。
ペンケースを選ぶ際は、万年筆のサイズに合うか、ペン同士がぶつからない構造か、などを確認しましょう。
ペンスタンド・ペン置き:デスク上のおしゃれな演出
普段使いの万年筆は、デスク上のペンスタンドやペン置きに立てておくのもおすすめです。すぐに手に取れる利便性と、万年筆の美しさを楽しむことができます。
- 安定性:万年筆が倒れないように、安定感のあるデザインを選びましょう。
- 素材:デスクの雰囲気や万年筆の素材に合わせて、木製、金属製、ガラス製など様々な素材があります。
ただし、ペンスタンドに立てる場合も、ペン先が下向きにならないように注意が必要です。基本的には、ペン先を上にするか、横向きに寝かせるタイプのスタンドを選びましょう。
コレクションボックス・引き出し:長期保管と鑑賞を両立
多くの万年筆をコレクションしている方には、専用のコレクションボックスや、引き出しを活用するのがおすすめです。
- 防塵・防湿:蓋つきのボックスや引き出しは、ホコリや湿度から万年筆を守るのに役立ちます。
- 鑑賞性:ガラス蓋のついたコレクションボックスなら、大切な万年筆を眺めて楽しむこともできます。
特に、高価な万年筆や限定品などは、このような専用の収納方法を検討すると良いでしょう。
まとめ
万年筆の保管は、単に「置いておく」こと以上の意味があります。適切な「向き」と「環境」、そして「メンテナンス」を意識することで、あなたの愛する万年筆は驚くほど長持ちし、いつでも最高の書き味を提供してくれるでしょう。
- ペン先は「上向き」か「横向き」で保管し、インク詰まりや乾燥を防ぎましょう。
- 温度・湿度が安定し、直射日光やホコリの当たらない場所を選びましょう。
- 長期保管の前には必ずインクを抜き、丁寧に洗浄・乾燥させましょう。
- 専用のペンケースやボックスを活用することで、万年筆を物理的なダメージから守り、美しく保管できます。
少しの手間をかけるだけで、万年筆との付き合いはもっと豊かなものになります。ぜひこの記事を参考に、あなたの万年筆ライフをより充実させてくださいね!
さあ、今日からあなたの万年筆を「まさかの逆」に置いてみませんか?その変化にきっと驚くはずですよ!
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